新しい分野への挑戦

人体のパーツに損傷を受けた時、自然治癒が望めず、更に医学的処置療法が及ばず、回復不能になった時の事を想像する事が時々あった。

私の場合はこうである。C5/6,C6/7頸椎椎間板ヘルニア、L2/3腰椎椎間板ヘルニアでC6神経ブロック・ステロイドおよび腰椎コーダルブロックの治療中、多くの薬を飲み続け、痛み、不具合と戦うこと15年以上である。

この体にムチ打ち、仕事プラス波乗りも続けられているので、不幸中の幸いと思い、以前の半分以下の力ではあるが・・とても遅い歩みではあるのだが、人生設計を続けている。

私程度の故障ですら、波乗りに合わせる体調作りは結構大変で、他人の思い知らないところでは、いまだにケツから痛み止めを垂れ流し、カラー(首)コルセットにリハビリテーション運動の毎日。あと一本波に乗りたくても沖まで行くことが出来ない時が時々ある。他のサーファーに良い波を乗られても腹の立つことはないのだが、自分の病気にはめげてしまう。

しかし、今年春、FCJ(フル・サークル・ジャパン)湘南鵠沼の活動に顔を出してみると、その瞬間、私の今までの人生設計の迷いが消えていた。

私自身、脊椎にダメージをかかえ、大切な家族の一員は脳障害による下肢麻痺と言う現実に、この先の人生生活に多くの迷いが存在していた。

秦秀明君いわく「自分の障害に負けず、世の中の人に自身を見せ、理解してもらうことこそ、障害と世の中の垣根をとりはらい、子どもから大人まで、この世に差別意識のない心を作っていくことの出来る人々が、このFCJの参加者であると」

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ハタ・シュウメイさん

「波乗りに挑戦してみたい」その思いが全ての人たちをうごかす架け橋となり・力となり、愛してやまない海へこの日挑戦と爽快が待ち受けている。

リーダーの小嶋さんの自らの身体を手本とする技術指導に熱心に聞き入るボランティア、ライフセーバーの方々、よく聞いていると、脊椎・頸椎・損傷による半身麻痺の人や上肢・下肢に通常通りの神経伝達の伝わらない人、」自分自身で体を動かすことが、困難な人の為の移動方法・安全・海へのアプローチ・海中での安全確保・そしてお約束は、爽快なウェイブライディングである。

波に乗るための道具も多様でよく考えられている。一人でライドするには危険が伴うことから、タンデムスタイルの様だ。ワイプアウト時、瞬時に呼吸を確保する体勢をとる必要があるので、ボランティアの方達が、海の中に人によるセーフティーなライディングレールを形成する。安全確保のため、文字通り、人海戦術である。(もちろん呼吸確保以外にも全ての安全の為に優れた指導が網羅され、実行されている。)

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FCJリーダーの一人藤沢さんは、この活動以前より私の知人であり、彼の話によると「一度、絶望を知った人達が又社会に復帰してくるのですから、底知れぬ精神力と力強さをもっています。」「この場に参加している人達は、すなわち、強い心の人と、ボランティアスピリッツに目覚めた人たちです。」

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フジサワさん(右)とショウロクさん

 

 

さあ、いよいよグレートライドのスタートだ。海中へのエントリーに最少人数でも4人のスタッフ、安全確保、セーフティーなライディングエリアを確保するためには、おおよそグレートライダー一人に対して役30人ほどのボランティアの方達が海に入り、沖までのゲットアウト・波待ち(良い波が来るまでのウェイティング)そしてテイクオフ。初めて目にするこの光景、あの人が波に乗っている。皆がうねりの上、下、白波をかわすたび、海面に浮き沈みする。砂浜に近い人は、グレートライダーのゴールになるべく、水しぶきを体にまといながら、その行方を追いかける。ライダーの顔から笑顔があふれる。少し緊張した表情であるが、その爽快が全ての人に伝わる。ボランティアからの拍手・歓声が波の音とともに私の耳にも届いててくる。一人・また一人爽快を味わうために、海へのエントリーが続く。

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当日エントリーしたFCJの参加者は5名と聞いているが、もちろん、スタッフでない私に彼らの名前や障害の程度は知る由もない、ただ、ただ、生きる喜びとそれをヘルプする人々の行為を自分の体験としてカメラにおさめ、恐縮ではあるが、この体験を自分の人生のプラスとして今後に役立て、私のホームページ上に記事として掲載する事。この事一つでも多くの迷いがあった、「人の心を傷つけはしないだろうか」「上手くサーファーや社会の人達に理解してもらえるだろうか?」「自分は余計な事をしていないか?」

社会的弱者を守るのは強者のつとめであり、一つの体験は心と心の繋がりの始めであり、理解して協力すれば、自身の役割もおのずと見えてくるはずである。

現役プロサーファーのボランティア参加、日本サーフアカデミー高等部の参加、ライフセーバーの方達の参加と、実に心強い限りである。私がカメラを覗きながらグレートライダーの表情を追いかけていると、多分、家族か友人もしくは知人であろう、わたしと目が合うと、泪を流し・歓喜し、私に向かい「こんなにして頂いてありがとうございます。」この言葉の意味することは、私の理解の隅々まで伝わり、私自身「特別何もしていないですから」。

 

 

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日本サーフアカデミーの皆さん

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全盲のチャレンジャーと真剣な打ち合わせ中のワキタさん

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千葉から参加の世界水泳チーム

「このFCJへ参加することは、お互いのためですから。」と心の中で答えていた。

54歳となる今、これ程感動の泪を目にすることはなかった。

半身麻痺のある人が、海へおもむくまでにどれだけの気持ちと戦ってきたことか。そして、その家族の思いがその苦労をあの泪が全てを語っている様に思える。

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DSC00733共通点はあるもので、私自身、障害のある親と終生、一緒に生活をした経験がある。この方向の話になると、一様に苦労話になりやすいので。FCJのこの超越した企画には不似合いだろう。

 

とにかく今回の私の感動と恐縮は、これからの先の人生に力を与えてくれた。

ニーボードライディングと言うスポーツに私自身、障害克服を懸けているわけだが、私の所へ連絡してくるニーボードライディング志願者の半数の人達は、やはり体のパーツに故障があり、このスポーツに障害克服を懸けている様に思える。この障害という言葉、例えば障害者手帳など・・もっと良い響きの名称はないものだろうか、きらいな表現の一つである。

海で育てられた心も持つサーファーとして、自分が出来る役割に気がつけば、より良い文化、人間社会形成の一翼となり、海から大自然の回復、そして人体の健康を得、人間性の確立をはかり、今、全世界に蔓延している多種多様の公害物質への対策をも考慮して、海へのぞむ事こそ、未来へのサーファーの姿であると想像する。

(注:全ては私自身の作文であり、他の人の心を侵害する行為ではありません。)

 

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Riding by クリスチャン・オッタ―・バレーさん

 

 

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Riding by ハタ・シュウメイさん

 

 

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Riding by コジマさん

 

 

 

フルサークルの皆さん

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PS. 私としては、障害のある身体でも、波乗り経験に応じて、その人に必要な特別な波乗り板を作製することが出来ればと思って実行しています。PC-surftools.com

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